この記事の執筆は2020年10月です。(元々は別のサイトに掲載しており、2021年にこちらのサイトに移転しました)執筆時Fiverrはまだニッチな存在でしたが、2023年現在やや日本人登録者が飽和状態となっています。2年前に比べると現在は状況が異なるかもしれません…。ご了承の上お読みいただけますと幸いです。
みなさんこんにちは。サワムラです。自営業のWebライター&Webディレクター&翻訳をしながら、どーにかこーにか生活しています。
Webライターのみなさんは、日頃どんなクラウドソーシングサービスを使っていますか?クラウドワークスやランサーズなどが定番ですが、実は海外にもクラウドソーシングサービスはたくさんあります。
筆者が海外のクラウドソーシングサービスに興味を持ったのはライター3年目。
日本のクラウドソーシングサービスでは、なんだかWebライターが飽和状態にある気がして「日本を戦場にするより、世界を戦場にした方が案件の分母が増えるのでは?」と思いついたのがきっかけです。
そこで登録したのが「Fiverr(ファイバー)」というイスラエルの会社が運営するクラウドソーシングサービス。英語で「Webライター クラウドソーシングサービス おすすめ」と検索して出てきたので、始めてみました。
今回はFiverr歴1年の筆者が、実際にFiverrを使って分かったメリットとデメリットについてご紹介します。
ネパール人と喧嘩したり、スペイン人同士の喧嘩に巻き込まれそうになったり、香港人に怪しげなサイトの翻訳を頼まれたり、まー色んなことがありました(笑)読んでもあまり役に立たないと思いますので、 Fiverrが気になっている超ひまな方だけお読みください。
目次
FiverrはWebライターでも稼げる?
あくまでも筆者の体感ですが、Fiverrは稼げます。最近もポーランドのゲーム会社から、1文字4円で新作ゲームの紹介文の依頼を受けました。
Fiverrには英語と日本語の翻訳サービスを提供している日本人はたくさんいるのですが、日本語でのWebライティングサービスを提供している人はほとんどいません。特にSEO対策ができる方は、発注者からしても価値が高いと思います。
例えば英日翻訳サービスを5ドルで出品している日本人は多いです。しかし、翻訳した日本語の文章をSEOフレンドリーにできると、ライバルと差別化でいると思います。
翻訳案件のほとんどはWebサイトに載せるものですので、SEO対策がされてないと人の目に留まらず、翻訳する意味があまりないのですね。 ちなみにFiverrは何でもサービスとして出品できますので、ライティングや翻訳だけでなく、イラストでもOK。
中には
- あなたの英語名を漢字で書きます(5ドル)
- あなたのために笑います(5ドル)
- あなたのデートプランを考えます(5ドル)
なんていうニッチ(?)なビジネスもあります。
Webライターが感じるFiverrのメリット
筆者が思うWebライターがFiverrを使うメリットは、以下の3つです。
- 日本よりもライバルが少ない
- 単価交渉能力がつく
- 5ドル〜でサービスを買うこともできる
ここでは、実体験を交えて感じたFiverrのメリットについて書いていきます。
日本よりもライバルが少ない
筆者は、Fiverrの日本語ライティング案件は日本のクラウドソーシングサービスよりもライバルが少ないと感じました。
たまに「Fiverrは競争率が高く勝ち残りが難しい」という情報もありますが、日本語SEOライティングができるライターはFiverrには少なく、いわゆる「ブルーオーシャン(競合性が少ない市場)」だと思います。
例えば日本のランサーズなどでは人気の案件に100件以上の提案(応募)が集まり、その中の数名になるには、かなり頑張ってアピールをしたり、凝ったポートフォリオを作らなければいけません。
一方Fiverrの場合は、ライターとしてのスキルに加え「日本語ネイティブである」という付加価値が加わるため、Webライターとしても戦いやすくなります。
ちなみに日本にIR(カジノ施設などを含むアミューズメント施設)ができるという話題が出た頃は、マルタ人とスペイン人からカジノ記事の依頼が毎日のように来ました。(知識がないのでお断りしましたが…)
単価交渉能力がつく
筆者はFiverrで初めて単価交渉をしました。日本のお客さんの場合は、単価はすでに決まっており、それに対して「同意する」か「同意しないか」だったからです。
記念すべき1回目の交渉はオーストラリア人の方でした。筆者は交渉という経験に慣れていなかったため、まずは1記事10ドル(1,000文字)で5記事受けました。
さらに10記事〜までに依頼したい、と言っていただいたので「発注量が多く期限付きなので1つ20ドルにしてください」と言うと、あっさりOK。
さらに「あと2日早く納品してもらうには、いくらかかりますか?」と聞かれたので「その場合は1期時につき3ドル必要です」と言うと、その条件で同意していただきました。
出来に満足していただいて、絶賛レビューを書いていただいたことにより、それが信頼の証となり、さらなる依頼に繋がったと思います。 個人的に「期限を早くするのも、支払いに値するのだな…」と感じました。
5ドル〜でサービスを買うこともできる
Fiverrではサービスを売るだけでなく、買うこともできます。筆者も実際に中国語をベトナム語にする翻訳サービスをベトナム人の方から買ったことがありました。翻訳会社に依頼するとかなりの料金がかかる場合でも、Fiverrなら低価格で依頼することができます。
Webライターが感じるFiverrのデメリット
Fiverrにはメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、Fiverrを使う前に覚えておきたい3つのデメリットについてまとめました。
- 言語は基本的に英語のみ
- 単発の仕事が多く継続性は△
- 手数料は20%と高め
言語は基本的に英語のみ
Fiverrでのやりとりは基本的に英語のみで行われます。Fiverrは発注者・受注者共に英語圏出身ではない方もたくさんいますので、英語のエラーをすることは全く問題ありません。
しかし「完璧に発注者と意思疎通をしたい」というWebライターの方は英語のみの対応に疲れてしまう可能性もあります。 ただ、英語が苦手な方は日本語の文章を英語に翻訳して貼り付ければOKですよ(笑)
発注者が求めているのは日本語での成果物ですので、やりとりで使う英語に細かいミスがあっても問題ありません。実際にFiverrでは「this file, please」といったシンプルな英単語でのやりとりがたくさんあります。
単発の仕事が多く継続性は△
Fiverrでの仕事のほとんどは単発の仕事です。そのため、仕事の詳細を毎回確認したり、仕事のたびにすり合わせをしたりと、仕事に取り掛かるための準備に時間がかかる場合があります。
ただし、考え方によっては、毎回英語でやり取りしますので英語力は確実にアップするでしょう。また、海外企業のマニュアルを読む機会は日本ではなかなかありませんので、視野を広げるチャンスにもなる…と考えることもできます。
手数料は20%と高め
Fiverrの手数料は20%と高めです。5ドルで仕事を請け負った場合、実際に手元に残るのは4ドル。ただ、クラウドワークスの手数料も同じく20%ですので、法外に高いわけではありません。
Fiverrの場合は案件の種類によっては1つの案件の単価が低くなりがちかので、その分手元に残る金額について「少ない…」という印象を持ちやすくなると言えます。
WebライターがFiverrで稼ぐにはどれくらいの英語レベルが必要?
Fiverrなんて英語ができるWebライターしか無理…と思うかもしれませんが、Fiverrには英語ができない人がたくさんいます。そのため結論は「英語できなくても、やっていける」です。
その逆も然り。日本語ができなくても日本語のビジネスをしようとしている外国人はたくさんいます。
例えばFiverrで出会ったオーストラリア人は、会社で日本語サイトを作ったのですが、筆者が日本語で記事を執筆するまで、英語で書いた記事をGoogle翻訳で日本語に翻訳し、そのまま公開していました。
他にもFiverrには、You do this, $20 OK?と超ベーシックな英語で交渉してくるタイ人や(これを20ドルでお願いできますか?という意味は分かる)日本語が全くできないが東京にオフィスを借りてビジネスを始めた中国系アメリカ人などがいました。
つまり海外では、日本よりも「外国語がわからなくても、やりたいことをやる」人の割合が多いと思います。 例えば日本人なら「英語ができないから海外のクラウドソーシングサービスに登録するなんて無理!」という人も多いです。
たしかに海外にもそういう人はたくさんいると思います。しかし、英語なんて間違えて全然OKですよ。最悪Google翻訳使って英文を貼り付ければ余裕です。
大切なのは重箱の隅を突くような英文法のエラーを恐れることではなく、成果物を求められたレベルで納品すること。成果物は基本的に日本語で作成しますので、その日本語さえちゃんとしていれば大丈夫です。
個人的にFiverrに登録してWebライター力がアップしたと思う
もしかしたら、あなたはこう思っているかもしれません。「サワムラはFiverrに登録するくらいならUpworkにも登録しているのだろう」と。
たしかにUpworkはFiverrよりも有名で定番な海外のクラウドソーシングサービスです。と言うよりも、Fiverrはややマイナーですよね。
実は筆者はUpworkには登録していません。と言うよりもUpworkには「スキルを満たしていない」という理由で登録させてもらえませんでした。3回くらい挑戦しましたが全部だめ。
本当は海外進出の「正面門」であるUpworkから入りたかったのですが、入れてもらえなかったので(泣)「裏門」であるFiverrから入りました。
結果的は裏門から入ったことで実にいろいろな経験をさせてもらったと思います。もちろんUpworkも使ってみたいですが(本音)まあ、今は与えられた場所で一生懸命頑張っていく所存です。
アイキャッチイラスト : ほとぎ。(@hotogigi )
文章 : サワムラ(@webwebwriter123)