先日、漫画家の西原理恵子先生の『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』を読みました。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は、西原理恵子先生が巣立っていく娘に向けて、女性の生き方について自身の経験を交えて書いた指南書です。
「働き方改革」とか「女性が活躍できる社会」といったワードが世の中で飛び交う中、この本は絶対に多くの人に読まれるべき本だと思いました。
もしかしたら、この『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は好き嫌いがはっきり分かれるかもしれません。
なぜかと言うと、西原理恵子先生の言葉は「世の真理+西原理恵子の経験」でできており、西原理恵子先生の経験を受け入れることができないと、本能的に拒絶しようとしてしまうからです。

借金まみれの父親が首を吊って自殺、なけなしの100万円で高知から東京へ上京。夫はアルコール依存症、さらにガンを発症して42歳の若さで死去
といった波乱万丈の人生を歩んできた西原理恵子先生の言葉は、ある種類の人にとっては自分の人生とかけ離れて過ぎているため共感するのが難しいのです。
しかし、降り注ぐ困難をくぐり抜けてきた人、女性でも男性でも、屈強に負けず人生を切り開いていこうと決心している人の心には、西原理恵子先生の言葉がきっと深く突き刺さるはずです。
本記事では、西原理恵子先生の大ファンである私が、『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』で見つけた、忘れられない名言をご紹介していきます。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』西原理恵子

『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』が出版されたのは2017年6月。
本の帯には「母から娘へーー厳しくもハートフルな生き方指南」と書かれていますが、本書はもっとドロドロ(?)しています。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』の執筆時、西原理恵子先生と娘は口もほとんど聞かない冷戦状態。
「西原理恵子の娘と知られたくない」という娘の思いを知らずに、西原理恵子先生が娘の出演する舞台の告知をツイッターでしてしまったことが冷戦の原因のようです。
「家族は仲良くいる必要なし」と言い切りつつも、本書からは、娘への愛がじわじわとにじみ出ていました。
本文では娘に厳しく言いながらも、行間からは娘が可愛くて可愛くて仕方がないと言う想いが溢れている。
この本文と行間のギャップが、『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』の魅力。
私も「西原理恵子先生、素直じゃないな〜」とニヤニヤしながら読んでしまいました。
西原理恵子氏プロフィール

1964年高知県生まれ。88年に『ちくろ幼稚園』でメジャーデビュー。96年に海外取材に同行したカメラマンである故・鴨志田穣氏と結婚し、長男と長女をもうける。代表作は『毎日かあさん』『いけちゃんとぼく』『ダーリンは70歳』など。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』では、西原理恵子先生の生い立ちや、細かいプロフィールが見れますので、気になった方は本書で確認してくださいね。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』ってどんな本?
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は以下の7章で成り立っています。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』目次 | |
---|---|
はじめに | 私が女の子だった頃 |
第一章 | 母と娘のガチバトル |
第二章 | スタート地点に立つために、できること |
第三章 | 夢見る娘とお金のハナシ |
第四章 | かあさんの子育て卒業宣言 |
第五章 | 巣立ちの時 |
第六章 | 女の子が生きていくときに、覚えていてほしい5つのこと |
終章 | 女の子たちの<エクソダス> |
西原理恵子先生の本や漫画を愛読していれば、本書に書いてある西原理恵子先生のエピソードは聞いたことがあるものも多いです。
しかし、これまでの作品で描かれている娘は「聞き分けの良いお利口さん」だったの娘。
今回の『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』では、反抗期の姿が描かれています。
ファンとしては、これはこれで新鮮(笑)
ところどころに描かれている挿絵も、もちろん西原理恵子先生が描いており、パラパラめくるだけでも楽しめます。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』を読んだ感想

『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』を読んで、私は新しい発見をしました。
それは「幸せになるためには『良い人』を止めなければいけない時がある」ということです。
誰とでも仲良く、人のために生きる、お客様の笑顔のために時間を惜しんで尽くす、仕事もプライベートも生き生きとーー世の中で求められている「理想」は時に私たちを窮屈にします。
でも「反りが合わない人がいても良い」「自分のために生きて良い」という、時に人を救うような言葉は、「完璧な良い人になれ」合唱にかき消されてしまっているような気がします。
しかし、そんな中で「良い人にならなくていい」と声をあげているのが、この西原理恵子先生です。
いい子にならなくていいんですよ。
いい子は幸せを人に譲っちゃうから。
(中略)
あなたが笑うとあなたの大切な人が笑うよ
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)
私は本書に「良い人を捨てて幸せになろう」というエールを感じました。
なんか、『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』を読んだら、「誰かにずっと言ってほしかったことを言ってもらえた」感じがしたんですよね。
2016年の発売時に買って今までに3回〜4回読んでいますが、読むたびに読後の感じが違います。
きっと、私も少しずつ前進(後進?)して、本を読むたびに別の角度から眺めているのでしょう。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は読む人によって、心に突き刺さる言葉が違う一冊だと思います。
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』の名言を引用する

「王子様を待たないで。社長の奥さんになるより、社長になろう」
女磨きって、エステやネイルサロンに通うことじゃないからね。お寿司も指輪も自分で買おう。その方が絶対楽しいよ。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)
誰でもいいから、そばにいてほしかったのは、自分に自信がなかったから。
そうして、貯金100万円を達成できた時に、思った。ああ、これでやっと風邪をひくことができる。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)

彼の夢を支えるんじゃなくて、自分の夢を叶えてください。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)
日本には昔から、辛抱が美徳、我慢することが偉いという精神論があるけれど、それは間違いです。
(中略)
みんな我慢してます、私だって我慢してきた。そんな言葉に騙されないで。みんなで我慢するんじゃなくって、みんなで幸せになればいい。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)
私なんか10万円欲しいなら「とりあえず100万円くれ」って言ってみる。どうしてもA案を通したいなら、クソみたいなB、C、D案をひっつけて時間ギリギリに出してみる。私なんか、このくらいのことは、駆け出しの頃から平気でやってました。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)

生きてきて、今がいちばん幸せ。そう言える場所まで、ようやくたどりついた。ここまで私、よく頑張った。自分、お疲れ!みたいな。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)
高須先生が、前に言ってくれたことがある。
鴨ちゃんとのつらい経験、それは若い頃の耕す時期だからです。人生の最初の耕す時期は、台風や日照り、害虫など、それはもう理不尽なことがあとからあとからたくさんやってくる。それが生きていくということ。
「そしてごらんなさい。今、目の前にある豊かな畑は、あなたがいろんな嵐から何度も何度も家族を守って実らせた実ですよ」って。
(『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』より引用)


『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は名言の宝庫だった
『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』では、今回紹介しきれなかった名言がまだまだあります。
本文は、西原理恵子先生の話し言葉で書かれており、2時間ぐらいあれば読み終えることができますよ。
西原理恵子先生のファン歴10年の私でも『女の子が生きていくときに、覚えておいてほしいこと』は超おすすめです。
気になる人は、ぜひ読んでみてください。

プログリット代表の岡田祥吾氏が本を出版!注目の『英語学習2.0』書評