現在世の中には、数多くの英語学習法が出回っています。
とにかくネイティブと会話すること!と聞けば英会話スクールに通ってみたり、
英語のシャワーを浴びること!と聞けば英語を聞き流してみたり、
さまざまな英語学習法を試した方も多いでしょう。
しかし、その勉強法は本当に効果があるのでしょうか?
もしかしたら私たちの英語学習の常識は、専門家からしたら非常識かもしれません。
そこで今回は、イングリッシュカンパニーの事業部部長を務める藤ヶ崎トレーナーに、英語学習の「ウソ」「ホント」について伺いました。

質問に答えてくださった藤ヶ崎トレーナー
英語学習中の方は絶対に知っておくべき効率的学習へのヒントをたくさん教えていただきましたので、ぜひ読み物としてお楽しみください!
イングリッシュカンパニーのトレーナーが英語学習について完全講義!質問10連発

今回は以下の10種類の疑問についてお答えいただきました。
- 英語の聞き流しは効果がありますか?
- 英語学習に年齢は関係ありますか?
- 英語学習にブランクがあると習得は難しくなりますか?
- とにかくネイティブと英会話をすれば英会話力は上がりますか?
- 英単語の効率的な覚え方はありますか?
- 英字新聞を読めばリーディング力はつきますか?
- 英語を楽しく学ぶにはどうしたら良いですか?
- 2つの言語を同時に学ぶのは効果的ですか?
- 英語学習で効果が出る人の特徴は?
- 英語学習で効果がでない人の特徴は?
1.英語の聞き流しは効果がありますか?
藤ヶ崎 : 皆無ではありませんが、全く意味のわからないものをただ聞き流しているだけでは効果はほとんどないと言えます。
むしろ、やみくもに英語を聞き流し「英語が分かった気になってしまう」という危険性もあるでしょう。
環境にもよりますが、日本のような英語を外国語として主に学校などで学ぶ必要のある環境(=EFL環境)の場合は、「英語を大量に聞く」といっても限界がありますよね?
例えば、アメリカに留学するような環境や、日常的に英語が用いられている環境であれば、四六時中英語に触れると言うことも可能ですが、日本でそれをしようとすれば生活が成り立たなくなってしまいます。
EFL(English as a Foreign Language)
→主に教育機関を通じて英語を学ぶ必要がある環境
(例)日本、中国、ロシアなど
ESL(English as a Second Language)
→事実上英語が公用語の1つとして使われている環境
(例)インド、ナイジェリア、デンマークなど
もちろん英語の聞き流しをすることで、英語に慣れることができますので、全く意味がないとは言えません。しかし、ただ聞き流すのでは、課題を見つけることができないため効率的ではないと言えます。
「英語が聞こえない」という課題に対しても、
- 処理スピードの問題なのか?
- 音声変化が理解できていないのか?
- 単語力が足りないのか?
など課題を細分化してアプローチをする必要があるでしょう。
英語を使わずに日常生活が成り立つEFL環境の場合は、意味がある程度わかるレベルの英文を使って、聞いたり、音読したり、シャドーイングしたりすることで、英語力を効率的に身に付けることができます。
2.英語学習に年齢は関係ありますか?
藤ヶ崎 : 「ない」とは言い切れないと思います。しかし、ある一定の年齢を過ぎるとネイティブレベルの言語力は身につかなくなるという「臨界期仮説」については、専門家でも意見が分かれているんです。
臨界期があると言っている研究者もいますが、その年齢についてはまちまちです。
また、言語とひとくくりにするのではなく「発音」「語彙」「文法」などに分け「それぞれ臨界期は違う」と考える「複数臨界期仮説(multiple critical period hypothesis)」というものを提唱する学者もいます。
十分なインプットがあるESL環境(English as a Second Language=英語が公用語の1つとなっている環境)であれば、やはり年齢が若い方が有利になる側面が多いようです。
一方、EFLEFL(English as a Foreign Language=教育機関を通じて英語を学ぶ必要がある環境)だと、そもそもの言語との接触量が少ないので、完全にそうともいえない部分もありますね。
認知能力を身に付けた大人になってからの方が、意識的な学習が得意になるので、文法など習得が早い分野もあります。
3.英語学習にブランクがあると習得は難しくなりますか?
藤ヶ崎 : もちろん、言語学習というのは継続がとても重要ですので、ブランクが「ある」のと「ない」のであれば「ない」方が良いでしょう。
とはいえ、いつ始めても、習得を進めていくことはできます。
集中的に「この期間だけ、すごく頑張って詰め込んで勉強する!」というよりも毎日少しずつでも英語に触れる時間を作り、それを継続することが大事です。
4.とにかくネイティブと英会話をすれば英会話力は上がりますか?
藤ヶ崎 : 英会話中心の学習方法というのは、どうしても自分が「アウトプットする」という機会に偏りがちです。しかし、効果的な英語学習というのは「大量のインプットと少量のアウトプット」というバランスであるということが言われています。
言語習得には大量のインプットが重要で、アウトプット中心では、言語習得の効率が悪くなってしまいます。
「英語を話したい」という方は、どうしても英会話に意識が向きがちですが、実はその前の段階というのが非常に大切です。
アウトプットの重要な機能のひとつは、学習者の「気付き(noticing)」を促すという部分です。これは、自分が言えないこと(聞いたことはあるけど使えるものになっていない単語など)に気づくことができるというもの。
- “busy”には「忙しい」という意味だけでなく「混んでいる」という意味もあるんだ!
- “conference”ってよく聞くけど「会議」っていう意味だったんだ!
- 最近“and”ばかり使って関係代名詞が使えていないな…
「気付き(noticing)」のサイクルを回すことにより、今度はインプットするときに、それに関わる英語の表現に注意がむきやすくなり、習得が効率化するのです。
つまり、アウトプットすることによって、インプットの効率がより上がるーー英会話などのアウトプットを取り入れる場合でも、それ以上のインプットを確保していくことで、より効果的な習得になります。
また、そもそもまだあまりリーディングやリスニングなどがおぼつかない、という学習者の方だと、
- 英会話をしても相手の言っていることが分からない
- 自分でもなにを言っていいか分からない
という状態になる時間が多くなりすぎて、英会話の効果が薄くなりがちです。
アウトプットをするためにアウトプットの練習をする、という方は多いのですが、実はそうではなく、アウトプットするためにインプットをして効率を上げることが大切。
特に初級者の方は、まずある程度すばやく英文が読める、ある程度リスニングで聞き取れる、という状態を作ってから英会話に臨まれるほうが効率的だと思います。
5.英単語の効率的な覚え方はありますか?
藤ヶ崎 : やはり「繰り返し単語に触れること」です。これにつきます。
そしてその際のコツですが、ただ単語を流し読みしたり、聞き流したりするのではなく、単語の意味を「記憶から引き出そう」とすること。実は記憶は出力に依存するからです。
イングリッシュカンパニーでは、以下のように単語学習を行なっています。
- 単語帳を用意する
- 英単語を見て、日本語訳のほうは隠しておく
- 意味はなんだったか、思い出そうとする
記憶というのは、記憶を引き出そうと自分で脳内でテストを繰り返すことで、強化されていきます。
皆さんも学生の頃、よく赤シートを使って単語を覚えたと思いますが、あの方法は実は科学的に根拠のある良い覚え方なのです。
また、英単語は必ず声に出して発音するようにしましょう。
発音も一緒に覚えないと、当然リスニングでも聞き取れませんし、スピーキングでも使えませんので、発音が分からない単語は音声を聞いて確認することが大切です。
一方、単語を書きながら覚えるのは、あまりおすすめしません。スペルを覚えるに越したことはありませんが、時間がかかりますし、今はパソコンやスマホなどで簡単にスペルチェックもできます。
私はよく受講生の方に「“apple”レベルで単語を覚えるようにしましょう」とお伝えしています。“apple”は目で見ても分かりますし、耳で聞いてもすぐに意味が分かりますよね。
英単語は記憶を引き出すことを意識しながら、繰り返し覚えるのが効果的です。
6.英字新聞を読めばリーディング力はつきますか?
藤ヶ崎 : たくさんインプットすることは言語習得にとって効果的なので、英字新聞を読むことも素晴らしいと思います。
ただ、英語をたくさん読むときは、それが自分のレベルに合っているかどうかを見極めることがとても重要です。
効果的な多読の方法としては「英文中の知らない単語の割合が、2〜3%以内に収まるレベルの本を選ぶとよい」と言われています。
読んでみて「9割がた理解できるな」くらいのものをたくさん読み進めていくのが良いと思います。
あとは、どうしても1文1文日本語に訳して、英文を返り読み(行ったり来たりしながら読むこと)しながらゆっくりししか理解できない、という人は、チャンクリーディングなど、英語の語順通りに素早く読め理解できるように音読を繰り返すなどして、リーディングスキルそのものを鍛えておくことも大切です。
7.英語を楽しく学ぶにはどうしたら良いですか?
藤ヶ崎 : やはり好きな題材を使って英語学習をすることでしょうか。
さきほどの英字新聞の質問のところで、読む英文を選ぶときには自分に合った難易度が重要だといいましたが、題材も、やはり自分が楽しんで読める物、たとえば自分の趣味に関するものだと継続しやすいですよね。
あるいは自分の仕事に関係するトピックであれば、背景知識があるぶん読みやすくて学習がしやすいですし、やる目的も感じられて、継続させやすいでしょう。
あとは、題材だけでなく、学習の方法についても、自分が好きなやり方、自分のライフスタイルにあったやり方などがあるかもしれません。
音声から学ぶのが得意な人であれば、毎日の学習の最初は音読やシャドーイングから初めてエンジンをかけて、そのあとでちょっと面倒なもの、自分が苦手なものに取り組んでいく、というスタイルにすると、スムーズに学習を行うことができるという人も多いようです。
8.2つの言語を同時に学ぶのは効果的ですか?
藤ヶ崎 : メタ言語能力が育つ、という意味では効果的だと言えると思います。
「メタ言語能力」とは簡単に言えば、言語知識を観察したり分析したりする能力のことです。例えば英語とスペイン語を学習した時に、その2つの共通点や際について比較することで2つの相互作用が生まれます。
2つの言語を学習することで、言語を分析、比較したりすることを俯瞰的にできるようになれば、複数の言語でも相互作用があるように思います。
ちなみに学習する言語は、日本語もしくは英語と言語間距離が近いものの方が取り組みやすいと思います。
9.英語学習で効果が出る人の特徴は?
藤ヶ崎 : 第二言語習得研究によると、成功しやすい学習者の条件は
- 年齢
- 言語間の距離
- 適性(aptitude)
- 動機づけ (motivation)
- 効果的な学習法
というものがあります。あくまでも「成功しやすい」学習者の条件ですので、絶対ではありませんが、これらの条件が揃う場合、言語習得が成功しやすいと言われています。
動機づけとはモチベーションのことで、「内発的動機付け」と「外発的動機付け」の2種類があります。
内発的動機付けとは、興味や好奇心など内側から発せられるモチベーションのこと。一方、外発的動機付けとは、海外赴任が決まり短期間で英語を身につけなければいけないなどの、外側からの影響によって生まれるモチベーションを指します。
第二言語習得研究では、内発的動機付けや外発的動機付けがある方が学習が成功すると言われています。
そしてやはり何よりも重要なのが、効果的な学習法です。正しい方法で学習ができるかどうかが、英語学習の成功を左右すると言っても過言ではないでしょう。
10.英語学習で効果がでない人の特徴は?
藤ヶ崎 : 自分の問題点を把握できないままだと、適切な学習方法、学習内容もみつけられないので、効果はあらわれにくいと思います。
先ほども述べましたが、適切に問題点をみつけて、それにあった対策をとっていく必要があります。
また、学習を継続することも非常に大切です。学習習慣が身につけられなければ、当然英語力も身につきません。
モチベーションの上がり下がりに左右されてしまって、すぐに挫折してしまう人が多いですが、なるべくモチベーションに左右されないくらいにまで、初めの段階で習慣化しておくことが大切です。
イングリッシュカンパニーでは、学習の習慣化に対しても科学的なアプローチを行います。
行動科学という人間の行動の仕組みを研究する学問の知見をベースに、英語学習を習慣化していきますので、モチベーションに左右されることなく無理なく英語学習を習慣化できます。
イングリッシュカンパニーカリキュラム・習慣化の秘訣・教材・コース
ここでは、イングリッシュカンパニーの概要について
- カリキュラム
- 習慣化への取り組み
- 教材
- コース
についてまとめました。
イングリッシュカンパニーのカリキュラム
カリキュラム、というとすでにレベルによって決まったものがあらかじめ用意されているもの、というイメージがあると思います。
しかしイングリッシュカンパニーのパーソナルトレーニングでは、あらかじめ決まったカリキュラム、というものは定めていません。
一人ひとりの課題は異なりますし、かつ、トレーニングを進めていくうちに日々変化していくため、最初におおまかなマイルストーンを設定した後は、随時トレーナーがプランニングを調整していきます。
受講生の学習の進み具合、ライフスタイルの変化などにも適応できるように、英語力のアセスメント、受講生からのヒアリングを随時行いながらその時点で最適なもの作成していくイメージです。
パーソナルトレーニングでは、受講生一人一人に合った学習プランを週ごとに作成してもらえますので、無駄のない効率的な英語学習をすることができます。
イングリッシュカンパニーの学習習慣化への取り組み
イングリッシュカンパニーでは「行動科学」という理論に基づいて英語学習を習慣化させていきます。
行動科学とは、個人の才能や意志といったものに頼るのではなく、人が普遍的に持つ習性を利用して習慣化を形成させるためのメカニズムなどを研究する学問のこと。
無理のない習慣化への取り組みは、行動科学マネジメントの日本における第一人者である石田淳氏のコンサルティングを受けて作り出されています。
イングリッシュカンパニーでは、15分単位で「いつ」「どこで」「何を学習するのか」を書き込む「GRITカード」と呼ばれるカードを使って学習を習慣化。
睡眠時間や会社の飲み会を削って英語学習をするのではなく、もともとあったスキマ時間に英語学習を組み込んでいくのがポイントです。

イングリッシュカンパニーの教材
イングリッシュカンパニーでは、オリジナル教材と市販教材を組み合わせて使用します。
オリジナル教材は特に第二言語習得研究に詳しいトレーナーによる「コンテンツ戦略チーム」と呼ばれる専門チームが独自に開発。
さらにオリジナル教材として、認知文法の解説動画も利用。この文法解説動画は完全オリジナルとなっており、動画を観ることでネイティブと同じような感覚で英文法を捉えることができるようになります。

イングリッシュカンパニー 文法解説動画
教材が充実しているのも、イングリッシュカンパニーの魅力です。
イングリッシュカンパニーのコース
コース |
全レベル対応コース(90日/180日) |
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受講料 | 全レベル対応コース(90日) : 544,500円(税込) 全レベル対応コース(180日): 646,800円(税込) 初級者向けコース : 264,000円(税込) 中級者向けコース : 220,000円(税込) 中級インテンシブコース :407,000円(税込) 上級者向けコース : 203,500円(税込) |
入会金 | 全レベル対応コース :55000円(税込) 初級者向けコース :22000円(税込) 中級者向けコース :22000円(税込) 中級インテンシブコース :22000円(税込) 上級者向けコース :22000円(税別) |
教材 | オリジナル教材 |
受講形式 | 全レベル対応コース : パーソナル 初級者向けコース :グループ 中級者向けコース :グループ 中級インテンシブコース :グループ+パーソナルコンサルティング 上級者向けコース : グループ |
オンライン受講 | 可能 |
受講期間 | 全レベル対応コース :3ヶ月 初級者向けコース :2ヶ月 中級者向けコース :2ヶ月 中級インテンシブコース :4ヶ月 上級者向けコース :2ヶ月 |
中級インテンシブコースでは、イングリッシュカンパニーでのトレーニングに加え、STRAIL(ストレイル)での受講が含まれています。
英語コンサルティングサービスを提供するSTRAILについては、下記の記事をご覧ください!
イングリッシュカンパニーの無料体験レッスンに参加しよう!

スタジオでは新型コロナウイルス感染症対策もバッチリ
今回は藤ヶ崎トレーナーに英語学習のヒントについて伺った時の様子をご紹介しました。
本記事を読んでいただくと分かるように、イングリッシュカンパニーの最大の魅力はトレーナーの専門性。効率よく英語を習得するには、正確な課題発見と正しい学習法を繰り返すことが大切です。
今回の取材でも、非常に専門的なお話を聞くことができ、改めてイングリッシュカンパニーの専門性の高さに感動しました。
第二言語習得研究の知見を活かしたトレーニングは、自分で体験してみるのが一番。たった1時間の無料体験レッスンで、英語学習の常識が180度変わってしまうかも知れませんよ!
「会社の飲み会を削って英語学習をすることもできるが、もしかしたら会社の飲み会が人生を変える飲み会になるかもしれない。何かを諦めて英語学習をするのではなく、空き時間を英語学習に当てることで、最大限のサポートを出したい。」
ということをおっしゃっていました!