
海外留学した経験を生かして英会話講師になりたい。あれ、でもそもそも英会話講師になるにはどうしたら良いの?ググってみても、なんか情報少なくて分かんない。
本記事では、こんな疑問に答えていきます。
結果から言ってしまえば、英会話講師になるには以下の5つのステップが必要です。
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募集要項をチェックする
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面接に受かるための準備をする
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面接に行く
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採用されて研修を受ける
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講師になって経験を積む
私は元英会話講師で、英会話講師としてのキャリアは7年ほど。これまで数々の英会話講師を見てきましたし、新人の研修も担当しました。
今回はそんな私が、英会話講師になるにはどのようなステップを踏めば良いのかを、実体験を交えて詳しく解説していきます。
5分くらいで読めますので、ぜひ最後まで読んで英会話講師への道に一歩近づいてみてください。
英会話講師になるにはまず「英会話講師の種類」を確認

「英会話講師になるにはどうしたら良いの?」と考える前に、まずは英会話講師の種類について確認しておきましょう。
「英会話講師」と言ってもいろいろな種類があるのです。
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子ども英会話講師
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大人英会話講師
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学習塾英会話講師
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オンライン英会話講師
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インターナショナルスクール英会話講師
簡単に表にするとこんな感じ。
<英会話講師の種類>
子ども英会話講師 | 大人英会話講師 | 学習塾英会話講師 | オンライン英会話講師 | インターナショナルスクール英会話講師 | |
---|---|---|---|---|---|
働き方 | 通勤 | 通勤 | 通勤 | 自宅 | 通勤 |
英語以外に求められるスキル | 子どもの世話をする力 | ビジネススキルなど | テストで点数を取らせる力 | パソコンスキル | 海外文化に精通していること |
どんな人が多いか | 子育て経験のある女性 | 海外経験のある20代〜30代 | 大学生 | 海外経験のある20代〜30代 | 海外経験のある20代〜30代 |
ネイティブとの触れ合い | スクールによる | スクールによる | △ | × | あり |
それでは、詳しくみてみましょう。
子ども英会話講師

子ども英会話講師は子どもの英会話スクールで働く講師です。
現在多くの子ども英会話スクールは、だいたい2歳ぐらいから中学生までを対象としていますが、スクールによっては0歳児から受け入れているところもあります。
子ども英会話講師はそんなに高い英語力が求められることはありません。ただ、ネイティブ講師と一緒に仕事をすることもありますので、同僚とのコミュニケーションが取れるくらいの英語力が好ましいです。
子ども英会話講師は、英語の基礎知識のない子どもに英語を教えなければいけませんので、忍耐強さが必要です。
また、英語の指導力だけでなく、子どもの面倒世話できる能力も求められるでしょう。
大人英会話講師

大人英会話講師は、一般的な大人向けの英会話スクールで働く講師です。
現在英会話スクールには大きく分けて2種類あります。それは
- 一般的な英会話スクール
- 短期間のコーチングスクール
です。
今までは週に1回程度スクールに通って英会話を学習するタイプのスクールが一般的でしたが、2016年ごろから3ヶ月程度の受講期間で集中的に学習をするスタイルのいわゆる「コーチングスクール」が流行り出しました。
大人英会話講師になるために求められるスキルはスクールによっても違いますが、一般的な英会話スクールはTOEIC700点〜、コーチングスクールはTOEIC800点〜ぐらいが目安。
コーチングスクールでは英語力に加え、第二言語習得研究の知識や、ビジネスの知識などが求められることもあります。
学習塾英会話講師

英会話講師の働く職場は、英会話スクールだけではありません。学習塾で英語を教える英会話講師もいるのです。
学習塾の英会話講師は、スピーキングだけでなく文法、テストで点を取るための指導が求められます。
資格としてはTOEIC700点以上、英検2級以上、塾での指導経験などが求められることがありますが、学習塾講師は比較的、大学生でもなりやすく、英語を教えるための経験を積むにはおすすめの職場です。
オンライン英会話講師

インターネットの広まりにより、場所を選ばずできる「オンライン英会話」が人気となりました。オンライン英会話講師は、オンラインでサービスを提供するオンライン英会話の講師です。
大人英会話講師と同じように英語力や指導力が求められますが、オンライン英会話講師は基本的に出勤せずに自宅で仕事ができますので、地方に住んでいる方や海外にいる方でもなりやすいでしょう。
また、オンライン上で生徒さんとやりとりをしますので、ある程度インターネットの知識があるのが好ましいです。
インターナショナルスクール英会話講師

インターナショナルスクール英会話講師とは、子ども向けのインターナショナルスクールで働く講師のことです。
インターナショナルスクールは幼稚園と小学校があり、近年は帰国子女であることと関係なく入学をすることができ、子どもにネイティブスピーカーのような英語力をつけさせたいと考える保護者の間で人気となっています。
最近では、放課後だけ2時間ほど通うことができる「アフタースクール」や、ネイティブの講師と放課後の時間を過ごすことができる「英語の学童保育」などサービスも多様化。
授業のように英語を教える形態ではありませんが、インターナショナルスクール英会話講師は、勤務中英語を使って子どもやネイティブ講師とコミュニケーションを取っていきます。
英会話講師になるには5つのステップが必要

英会話講師になるには、最低でも5つのステップをクリアする必要があります。
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募集要項をチェックする
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面接に受かるための準備をする
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面接に行く
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採用されて研修を受ける
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講師になって経験を積む
それでは、英会話講師になるにはどうしたら良いか、私の実体験を元にご紹介します。
募集要項をチェックする

英会話講師になるには、就職エージェント情報をこまめにチェックするようにしましょう。インターネットにある
こんな感じのエージェントをチェックすればOKです。

英会話講師の求人募集を見るときのポイントは
- 募集資格を満たしているか
- どんな雇用形態があるのか(バイト、契約社員、正社員)
- 指導内容(英会話だけ?文法も?)
- 勤務場所
- 募集している英会話スクールはどんなスクールか
です。
意外なポイントかもしれませんが「勤務場所」は非常に大切です。というのも、英会話講師は生徒さんあっての職業。
生徒さんがスクールで待っているので、遅刻は絶対にいけません。
お昼過ぎからの勤務などであればまだ良いですが、午前のクラスが10時から、でも家が遠くて電車が遅れて9時55分に出勤・・・なんてことでは、精神的に余裕が持てず長く働き続けることができなくなってしまいます。
1年後、2年後を想像して、きちんと働き続けることができる勤務地かどうか事前に確認しておきましょう。
面接に受かるための準備をする

英会話講師の面接に受かるには、以下の3つのポイントがあります。
- 英語力
- 生徒受け
- コミュニケーション能力
まず、英語力は言うまでもありませんが、面接の時点では会社が求める英語力を最低限クリアしておけばOKです。
特にネイティブ講師と一緒に仕事をするようになると、リスニングと会話力は格段に上がります。
余談ですが、私も以前「その生徒さんの名前はレッスン予約表にありません」とネイティブ講師に英語で言おうとして

(その生徒さんは存在しない→この世にいない)
と言ってしまい、ネイティブ講師に「ポカーン」とされたことがあります。
正しくは”The student’s not on the list”ですね。はい(汗)
面接前の準備として大切なのは「生徒受け」と「コミュニケーション能力」の部分です。英会話講師は「講師」という側面もありますが、生徒という「お客さん」相手の職業ですので、意外と「生徒受けするかどうか」は大切です。
面接の際に聞かれそうな「志望動機」「英語経験」「これからのビジョン」などを考える際には「ハキハキと」「物腰柔らかく」「生徒受けしそうに」答える練習もしておくと良いでしょう。

面接に行く

英会話講師になるための実際の面接内容は、一般的にこんな感じです。
- 採用担当の方と志望動機などについて面接
- ネイティブ講師との英語力チェック
- 英語力のテスト
英語力チェックは「あるスクール」と「ないスクール」があると思いますが、私の働いていた英会話スクールでは、ネイティブ講師との英語力チェックと、TOEICのような読み書きのテストがありました。
英会話講師になるための「志望動機」は一応日本語だけでなく、英語でも答えられるように練習しておきましょう。
また、採用担当者は「お客様に不快な思いをさせそうな人」は絶対に採用しませんので、英語に加え「気持ちの良いお客様対応」ができることもアピールするのがおすすめです。
採用されて研修を受ける

見事面接に合格したら、続いては講師になる前の研修を受けます。
研修は会社によって違いますが大体20時間から80時間で設定されていることが多いです。
- 会社の提供しているレッスンカリキュラムの確認
- 指導法の練習
- 事務作業研修
- 接客研修
- デモレッスン
研修内容は会社によっても違うと思いますので、参考程度に頭に入れておいてください。
研修期間中は覚えることが多くて大変ですが、研修期間中に仕事を把握しておくと、研修を終えてからの業務が楽になり、その分生徒さんに提供するレッスンに力を入れることができます。
講師になって経験を積む

これは私が個人的に思うことなのですが、研修を終えて生徒さんの前に立つ段階ではまだその人は厳密には「英会話講師」ではありません。
面接を合格しているので、英語力は会社の求めるレベルを満たしていると判断されたのでしょう。研修を終えているので、基本的な知識は備わっているはずです。
しかし英会話講師としての指導力は、実践の場で場数を踏まないと上達することはありません。
英会話講師の指導力は、現場で生徒さんの声を聞き、ネイティブ講師の指導を目の当たりにし、自分で感じたり考えたりして、日々スキルアップしていくものになります。
これは、新人であってもベテランであっても同じです。英会話講師としての5年のキャリアがあっても、10年のキャリアがあっても、まだまだ学ぶことはあります。
常に学ぶ意識を持って経験を積むことが真の意味で英会話講師に「なる」ための道筋だと言えるでしょう。
英会話講師になるには相当な努力が必要なんじゃないの?


でも英会話講師になるには相当な努力が必要なんじゃないの?
という声もあるでしょう。
しかし、繰り返しになりますが、英会話講師の職につくことは、5つのステップを踏めば可能です。
ただし、常に学ぶ意識を持って経験を積むことが非常に重要です。
英会話講師のスタート地点に立っている人は、英語が話せて当たり前。そこから「指導力」をつけていくのが英会話講師の進むべき道だからです。
英会話講師になるには、5つのステップを踏めばなれる

英会話講師という仕事は、こんな風に考えることができます。
英会話講師の職を得ることは簡単です。しかし、指導力を持った英会話講師になることは簡単ではありません。
私も7年前は、読者の皆さんと同じ気持ちで「英会話講師になるにはどうしたら良いのか」と考えていました。
今は英会話講師の仕事は退職してしまいましたが、英会話講師になって、多くの生徒さんや海外の同僚と出会い、英会話講師になって良かったと思っています。
今回は、英会話講師になるにはどうしたら良いの?というテーマで書いてみました。